黒澤明映画全作品30タイトルまとめてランキング!

こんにちは、どっと東京です!

長年に渡り黒澤明監督の映画全30作品を繰り返し観ています。

とはいっても1回しか観ていない作品もあるのですが…(汗)

私が黒澤映画とであったのは、1980年代後半の20歳前後の頃のこと。

我が家の近所にレンタルビデオショップTSUTAYAが開店したことがキッカケ。

何気なく、ショップで手にした『椿三十郎』がキッカケとなり黒澤明映画のトリコとなりました。

この記事では、私・どっと東京の独断と偏見で選んだ『黒澤明映画 全30作品ランキング』をご紹介します!

 

どっと東京が選ぶ黒澤映画 5位~1位

 

いきなりですが!!(楽天カードマン調)

私・どっと東京が選ぶ黒澤映画TOP5をカウントダウン形式で発表します!!

あくまでも個人的な独断と偏見でランキングをつけています。

あなたの意見と食い違う結果になってしまったとしても、悪しからずm(_ _)m

 

第5位 隠し峠の三悪人

 

様々な映画ジャンルを幅広く楽しめる黒澤作品ですが、私が一番お気に入りなのは2時間未満でサックリ観れる痛快時代劇もの。

本作はその中でもストーリーがテンポ良く進行し、アクションとコメディがふんだんに盛り込まれて頭空っぽで最初から最後まで楽しめる正に娯楽作品。

何より登場する主要キャラクタ全員が魅力的。

お決まり三船敏郎さんが扮するは剣の腕が立つ侍・真壁六郎太。

どこか秘密めいた美貌の雪姫は闊達なところも魅力的。

そして作品に小気味よいコメディのエッセンスを加えてくれる太平と又七。

半世紀以上前に作られた作品なのにキャラとテンポが抜群だと、ここまで見入ってしまうのかと驚きます。

有名な話ですから皆さんご存知かもしれませんが、ハリウッドの巨匠ジョージ・ルーカス監督は本作が着想の一部になって名作『スター・ウォーズ』の製作を始めたそうです。

スター・ウォーズで有名な『あのキャラ』のモチーフも実はこの作品に登場します。

どの登場人物がモチーフとなったのか探しながら観ると本作の面白さが倍になるかもしれません。

 

第4位 七人の侍

 

映画好きなら一度は聞いたことがあるタイトルで、黒澤監督の代名詞とも言える作品。

3時間を越える長丁場には映画初心者でなくとも身構えてしまいますが、いわゆる哲学的名作にありがちな堅苦しさはなく基本エンタメ映画の路線なので楽しんでいるうちに終幕となります。

この映画が並みの時代劇とは違う点は容赦が無いところです。

野武士や侍など戦う男たち以外の農民も容赦なく殺されていきます。

誰かが死ぬたびに墓が増えていきますが、それが作品に緊張感を持たせてくれます。

妥協の無い演出はさらに過熱し、どうみても素人だろというお婆ちゃんを登場させ妙なリアル感を出したり、死人が出るんじゃないかと心配になるほどの炎を立ち上げるなどやりたい放題。

何かと効率を求められる時代で、映画に3時間費やすのはどうなのと疑問に思う方もいるでしょうが、映画ファンがこぞって名作だと叫ぶそのワケを自分の目で確かめるのも悪くないですよ。

 

第3位 蜘蛛巣城

 

戦乱の時代を生きる武士・鷲津武時は他の武士同様に権力への渇望を持っていた。

ある日、森の中で出会った怪しい老女から予言を聞いてから鷲津の人生は次第におかしくなっていく。

作品のベースとなったのはシェイクスピアの『マクベス』。

実はマクベスは、映画の題材としては人気の作品です。

映画に限らず演劇でもマクベスをベースにアレンジを加えた作品が多くあります。

私も、そんな映画や演劇をいくつも観てきましたが、黒澤監督のマクベスが群を抜いていると思います。

どこが良いかというと、無駄や隙が無いところ。どの演出も流行りだからという理由で使われているものはありません。

また、ライティングも素晴らしい!

白黒映画の強みを生かしたコントラストの効いたライティングは、どこか気味が悪く作品の雰囲気を作るのに一役買っています。

一番分かりやすいのは鷲津が殺めた人間の霊が現れるシーンでしょう。

現代のフルカラーな映画じゃこの雰囲気は出せないですね。

老婆の不気味な予言が次々と的中していくシーンも怖い怖い、実際に起きた事件の方が予言よりも数段凄惨なのも恐怖を倍増させます。

原作の恐怖シーンを映画にすると『ひどくチープだな』とガッカリすることが少なくないですが、本作に関しては心配いりません。

さすが黒澤監督、原作の恐怖を見事に表現しています。

話題にもなったラストシーンも見逃せません。

実際に三船敏郎さんに実物の矢を射かけさせたのですから画面から伝わる緊迫感が違います。

これは観た人間にしか分からないと思います、言葉じゃ伝わりませんね。

一歩間違えば死んでしまう、その恐怖が三船さんの目から感じとることができるのです。

あの目は他の芝居では見られないものですから是非一度本作で御覧になってください。

 

 

第2位 用心棒

 

荒んだ宿場町に飛び切り腕の立つ浪人がやってくる。その男の名は桑畑三十郎。

おりしも権力闘争の真っ最中で、町は2つの勢力に二分されていた。

桑畑は否応なしにこの争いの渦中に引きずり込まれるのだった。

この映画はキャラクタの濃さが尋常じゃない!

観た人間の記憶に焼き付くほどのインパクトで、その後の娯楽作品には似たようなキャラクタが量産されることになります。

何者なのか誰も知らず、剣を振らせたら敵う者無し、切れ者で最後には相手の裏をかく、こんな主人公のベースにあるのは本作の桑畑です。

他の登場人物も印象的な癖者揃い。

ちょんまげなのに首にスカーフを巻き、拳銃を操るという世界観崩壊しかねない渡世人も出てきます。

ちなみに拳銃を操る渡世人は仲代達也さんが演じています。

そして端役のヤクザの皆さんも熱演がひかり、一人ひとりが個性的です。

印象的だったのは身長2メートルの大男、ドデカイ木槌を振り回します。

ベースに西部劇があって、そこに時代劇をぶち込んだのか、それともその逆か?

いずれにしても、この2つの融合は見事に成功しました。

本当に黒澤監督の飽くなき探究心はこのころから健在だったんですね。

 

第1位 椿三十郎

 

『黒澤映画とうえば、七人の侍が1番だろう!?』とお考えの方は圧倒的に多いと思うのですが…

完全に独断と偏見でこの映画を一番に選びました。

黒澤映画に初めて出会ってから、35年。

実は、私が初めて観た映画が、この作品です。

そして、それ以来、椿三十郎を50回以上は視聴しています。

もし、黒澤映画を初めて観る方がいらっしゃいましたら、この映画から観ることをお勧めします!!

さて、この作品、公式発表はありませんが実際のところ『用心棒』の続編として受け止められています。

『用心棒』同様、本作も三船敏郎さん演じる浪人が登場し、訪れた地で厄介ごとに巻き込まれます。

プロットだけ見るとコテコテの時代劇ですが、これが面白い!

前作で見所だった剣劇の要素は抑え目で、代わりに知略を使った裏のかき合いが楽しめます。

仲代達也さんも前作・用心棒に引き続き出演しています。

この作品では家老の右腕としてアレコレ企てる男・室戸を演じています。

そして本作一番の見所は映像、印象的なシーンが盛り沢山です。

椿を使った演出で登場人物の運命を描いた映像や、目にも止まらぬ殺陣、そして本作を知らない人間でも目にしたことがある最後の三船vs仲代の真剣勝負と一度観たら忘れられないシーンが随所にあります。

無論、脚本の面白さや、大胆かつ考え抜かれた構図など、黒澤映画のエッセンスが惜しみなく注がれています。

珠玉の作品と言っていいでしょう。

もしかしたら、今ままで観た映画の中で、一番好きな作品かもしれません!

 

どっと東京が選ぶ黒澤映画 6位~11位

 

私・どっと東京が選ぶ黒澤映画 6位から11位を発表します!

第6位以降は順位の高い順に発表していきます。

まだまだ名作が沢山ありますよ!

 

第6位 羅生門

 

時は平安時代。

日々の食事にも事欠く殺伐とした時代。

ある殺人を巡り関係者全員が偽りの証言を繰り返す。

異口同音で、自分が殺したと主張する証言者たち。

しかし、ある者は虚栄心のため、またある者はつまらない自尊心のため、真実を語るのを拒み、事件の真相は見えてこない。

誰しもが日頃から感じながら自らの内には無いと嘯く人間の本性が描かれる、ネガティブなヒューマニティに溢れています。

ただ、胸糞悪い作品ではありません。

そこは黒澤作品、最後には人間愛による救いが提示されています。

ちなみに、タイトルで誤解されることが多いですが原作は芥川龍之介の『藪の中』です。

 

第7位 悪い奴ほどよく眠る

 

父親を無実の罪で失った主人公・西。

復讐心に燃える西は父の仇を追い詰め、徹底的に懲らしめていく。

黒澤映画といえばこの人、三船敏郎さんが隙のない髪型とメガネにスーツ姿というビシッと決めたいでたちで情け容赦ない復習鬼を演じきっています。

相棒の板倉と共に何食わぬ顔で暮らす悪人どもを締め上げていく本作は痛快ではありますが、黒澤映画ならではのエンタメ要素以外のピースも欲しい。

しかしラストは黒澤作品の中でも衝撃的な出来になっていますので是非御覧になって欲しい。

 

第8位 天国と地獄

 

黒澤監督のサスペンス映画の中でも随一と言われる作品。

三船敏郎さんが扮する大企業の常務・権藤の子供が誘拐され、多額の身代金を渡すよう脅迫されます。

しかし誘拐されたはずの子供は自宅におり、いたずらかと思われたが、権藤が雇っていたドライバーの子供が誤って誘拐されたことが発覚。

権藤から自身のミスを指摘されるも引き下がらない犯人。

3000万円という法外な金額をびた一文負けるつもりのない犯人に対して権藤と警察が策を講じる。

犯人が大胆なやり方でその裏をかくのか、また犯人の動機は何か?息を飲む展開が続きあっという間に時間が過ぎます。

黒澤作品ならではの社会へのメッセージ性もあり、単なるサスペンス映画で終わらないのも本作の魅力のひとつ。

タイトルの『天国』『地獄』そえぞれが何を意味しているのか考察してみると面白いです。

また、これまで劇中で対立することが多かった三船さんと仲代さんが力を合わせて目的を達成するところを楽しめます。

 

第9位 乱

 

黒澤時代劇のラストを飾る壮大な作品。

ベースとなっているのはシェイクスピアの戯曲『リア王』で、それを戦国時代でアレンジし、大武将の一文字秀虎が子供たちをはじめとする様々な裏切りに遭い勢いを失っていくさまを描いています。

とにかくスケールの大きさを感じさせる映像が満載です。

タイトルシーンから夏の高い空にそびえ立つ入道雲に圧倒され、緑萌える丘にどこかミステリアスな感じで佇む騎馬武者に見入り、炎上する城と発狂する秀虎に固唾を飲み、壁を染めるように飛び散る鮮血に眉をひそめ、終盤の沈む夕陽には人の避けられぬ運命を感じます。

自然という大きな存在を感じさせることで人間の小ささを印象付けている演出なのかもしれません。とにかく『はあぁぁ』とため息をつきたくなる雄大なシーンの連続なんです。

しかしストーリーは味気ない、黒沢監督の私小説と思えるような部分もあって鑑賞中にふと我に返るような瞬間が多くあり、没頭できないのが難点。

それでも映像美は一級品で、これだけでも観る価値あります。

特に『CASSHERN』が楽しめた方にオススメしたいですね。

 

第10位 影武者

 

キャスティングについて不満の声が多く聞こえる作品。

皆さん勝新太郎さんを贔屓にされていますけど、仲代達也さんも味のある役者さんですよ。

それに仲代さんにすることで他の作品との違いが出たと個人的には思います。

その違い、というかコレじゃない感のためか記憶に残る作品です。

大量のエキストラを動因し、小さい人間が細々と何かやってるなという神の目線が楽しめる。

ラストシーン、多くの死体が転がり合戦が無益な殺し合いでしかないことを映します。

『乱』の三の丸に続いてく悲壮感が漂います。

評判がいまひとつの『影武者』と『乱』ですが、私としては黒澤作品として忘れてはいけない重要な存在です。

白痴同様、相当の使命感を持って黒澤監督は製作に取り組んだのではないでしょうか?

 

 

 

どっと東京が選ぶ黒澤映画 20位~11位

 

私・どっと東京が選ぶ黒澤明映画 11位から20位です。

 

 

第11位 赤ひげ

 

定期的にやってくる黒澤映画長編作品のひとつ。

なんと3時間を越える大ボリュームです。

また妙に解説が多かったり、冗長なやり取りがあったり、環境ビデオだったりするのかと思いましたが、そんな心配はまったくの杞憂でした。

主人公は当然、三船さん演じる赤ひげで間違いないだろうと思うでしょうが、真の主人公は若さ弾ける加山雄三さん扮する駆け出しの医者である保本でしょう。

一般庶民とは縁の薄い将来を約束された道を歩んできたエリートの保本。

赤ひげのもとに派遣され、医療現場の現実を直面し愕然とします。目を背けたくなるような施術や患者を苦しめる真の病である貧しさに触れ成長していく青年保本が描かれます。

この話だけ聞くと『硬そうな話だなぁ』と思われるかもしれませんが、三船さん演じる赤ひげと悪漢との派手な立ち回りが随所にあるので退屈せずに最期まで観られる娯楽作品ですよ。

 

第12位 生きる

 

また大衆を皮肉っているとか、公務員叩きかとか、主人公の滑舌が悪いなどなど色々不満を耳にすることもある作品ですが、それを吹き飛ばすメッセージ性も持ち合わせています。

まず、あの有名なブランコのシーン、白黒作品ながら夕やけの美しさにはただただ感動です。

つまずくこと無く人生を送ってきた定年間近の公務員である主人公。

突然余命いくばくも無いことを医師から知らされ、どこか自分の人生に物足りなさや疑問を感じてしまう。

劇中、生きることの意味を問いかけるように奔走する主人公。

終盤、寒々とした冬の公園でブランコに腰をかけ、呟くように歌い出します。

主人公の顔はすがすがしく、充実感すら感じられます。

こうありたいと思うような、素晴らしいシーン。

それと同時に『生きていることを実感するのは簡単なことじゃないよ』戒められた気にもしました。

 

第13位 どん底

 

演技力ある出演者たちによる芝居合戦が楽しめる作品。

芝居好きの私がたまらなく好きな作品で、見ごたえがあります。

劇中の要所で挿入される独特の間にも引き込まれる。

人が出払って空になった長屋、つかのまの静寂を置いて再び人がやってくる。

自分がそこで何気なく様子を見ているかのような不思議なライブ感がある。

最後のシーンと締め方も物悲しくも飾らないかっこよさがあります。

それが何かは分かりませんが黒澤作品の奥底で脈打つ何かを感じられる作品です。

時間があるときにじっくり考察しながら観賞したいですね。

 

第14位 夢

 

巨匠の作品としては珍しいオムニバス形式の映画です。

色彩感覚豊かな黒澤監督が、その才をいかんなく発揮した作品で、どのストーリーも印象に残るシーンには色を効果的に使い見せたい部分を強調するような演出がなされています。

8つのショートストーリーはどれも幻想的な雰囲気で正に『夢』。

しかし妙な現実味を感じさせるシーンもあり、そういうシーンで印象的な配色が画面を彩っています。

気に入っているエピソードは3つ。

ひとつ目は『赤富士』。

放射能に色を付ける技術が開発されていて、放射能を見ることができる世界が舞台。

原発が爆発し人々は東京から散り散りになって富士山に逃げてきたという話。

放射能に色がついているので主人公たちが七色の放射能の霧に迫られているシーンはちょっと滑稽でもあります。

しかし、こういった荒唐無稽さこそ夢の特徴ですよね。

5話目の『鴉』は一押しのエピソード。

夢の中でゴッホと出会う者の話です。

ゴッホの作品の中に次々に入っては出てを繰り返す、正に夢のような映像。

物語の最後、バッとカラスの群が空へ羽ばたきながら舞い上がる場面は必見です。

 

第15位 デルス・ウザーラ

 

厳しくも美しいシベリアの大自然を堪能できる作品。

厳しい環境で萌える緑が目に鮮やかな森林に、凛とした表情の白い氷原、優雅に歩く動物たち、どれをとっても雄大でちょっと日本じゃ見られない。

この大自然に黒澤監督の映像美・演出が加わるわけですから当然人を惹きつける絵ができますよ。

シベリアの大自然といえば極寒の環境からくる厳しさですが、黒澤テイストが加わるとそこに畏怖さえ感じる美しさが出てきます。

本作の魅力は自然だけじゃありません。

主人公のデルスも美しい俳優には無い魅力を感じさせます。

ストーリーの構成もデルスを魅力的に描くのに一役買っています。

デルスはシベリアの森で生活を営む少数民族であるゴリド族のハンターだ。

顔は…ハンサムとは言えない…

背も…低い…

しかもオジサンだ!

さえないデルスだが森に入ると一転、魅力全開のイイ男に見えてきます。

厳しい森を手なずけるための生きる力が彼にはあり、それが魅力の源泉になっている。

そのためか、最初に見た時はパッとしなかったデルスが物語が進むと男が惚れる男のような魅力を感じさせるようになります。

 

第16位 八月の狂詩曲

 

田舎を訪れる孫たち、どこか『となりのトトロ』を感じさせる話の入り方。

夏になると毎年母の実家を訪れていた子供の頃の思い出が浮かび、ふと遠い故郷に想いを馳せることができた本作は、個人的には印象深い映画です。

今思うと、それも黒澤監督の狙いのひとつだったのかなと感じます。

子供や孫たちに大事なことを伝えた村瀬幸子扮するお婆ちゃんは、ザーザー降りの雨の中を長崎に向けて走り出します。

雨が降り出す前に聞こえた雷が原爆の音に聞こえたのか、お婆ちゃんが向かった先にいるのはおじいちゃんなのか?

子供や孫たちが必至でお婆ちゃんを追いかけるも次々に転んでいく。

このシーンで傘がお猪口に変わるところは黒澤監督の演出の妙に感服しました。

出演者の中にはリチャードギアもいますが、これも黒澤監督だからこそでしょうね。

本当に世界的巨匠であって、映画に携わる人間の憧れなんだと改めて感じました。

 

第17位 まあだだよ

 

黒澤監督が最後にメガホンを握った作品です。

巨匠の晩年の作品によくある人生賛歌的な雰囲気のある本作。

随筆家の百聞先生の晩年を心温まるエピソードで送ります。

大きな出来事は無く、宴会シーンが定期的に映されて、気付けば終わっているという観客からしたらどこか狐につままれたような感覚が残る作品です。

平和な時はもちろん酒を飲み、空襲で家をうしなっても飲み、その後も仲間や教え子と宴会を催しては飲む。

酒の席のシーンがどれも楽しそうで見ているこっちまで飲みたい気分になります。

作品で存在感があるのは所ジョージさんです。

当時からお祭り男と称されていた所さんを抜擢した黒澤監督の眼はまったくもって素晴らしい!

宴会の席の楽しい雰囲気を彼ひとりで倍にさせる力を持っています。

ラストシーンで百聞先生は死を迎えます。

幕を閉じるまでの一連の流れの美しさは人生の余韻を感じさせるもので素晴らしいです。

 

第18位 どですかでん

 

貧しくともたくましく生きる人々の日々を人情と哀愁、コメディを交えながら描いた作品。

黒澤作品のなかで初のカラー作品が本作になります。

カラーを意識したのか、作品の映像は貧民外を映しているにもかからず色彩豊です。

タイトルも色に対する貪欲さを感じるほど主張の強い配色になっていて目が疲れます。

貧しい暮らしに微塵も屈せず日々を送る人々の力強さを象徴しているのか、原色で濃く色づいた街並みは印象的で活力を感じさせます。

話の筋としては特に大きな事件や目的は無く、貧民外の日々を徒然に映して日暮れと共に幕を閉じる、そんな映画です。

好き嫌いハッキリ分かれるタイプの映画ですね

 

第19位 虎の尾を踏む男達

 

映画に対する締め付けが強かった大戦末期の作品です。

勧進帳の映画化ということで義経や弁慶が登場します。

見所は弁慶を演じる大河内傳次郎の凄みと深みのある芝居、そしてオリジナルキャラクターに扮して重くなりがちな話に笑いのエッセンスを振りまいてくれる榎本健一です。

古典的作品の中に洋のエッセンスやコメディを加えるなど斬新な試みをしていますが、今見るとどれも古臭いかもしれません。

それでも当時の日本の検閲官に日本の古典をバカにしていると目の敵にされ公開が7年後になったといういわく付きの作品ですから一度鑑賞されることをオススメします。

 

第20位 生きものの記録

 

どこか和むタイトルからは想像できないほど屈折したストーリーが展開する作品。

原爆の恐怖を、原爆に対する恐怖心にとりつかれた男をとおして描きます。

サスペンスやホラーの雰囲気もあり、見入ってしまうシーンもひとつじゃありません。

この作品も三船敏郎さんの演技が楽しめます。なんと70のお爺ちゃんを演じています。

原爆恐怖症を患うこのお爺ちゃんがストーリーの進行と共に狂っていく様がホラーです。

原発から逃げるためにブラジルに移住するぞと一人息巻いていた頃はまだマシで、最後には完璧な精神異常者になってしまいます。

恐怖が恐怖を呼ぶ、背中に変な汗が流れる作品です。

気味の悪さでは黒澤作品トップ3にランクインしますね。

ただ本作は反原発のメッセージが込められている作品で、劇中の三船さん扮する老人の言葉には今を生きる人間もハッとすると思います。

何かあったら土地から人が消えてしまう可能性がある原発関連施設をいくつも抱えているというのは、もしかしたら狂気の沙汰なのかもしれません。

黒澤監督は本作以外にも原爆をテーマにした作品を出しましたが、娯楽性の面では本作が頭ひとつ以上抜けています。

どちらか一本薦めろ言われたら本作ですね。

 

 

どっと東京が選ぶ黒澤映画 21位~30位

 

まずは、私・どっと東京が選ぶ黒澤明映画 30位から21位です。

正直申し上げますと、ここにランキングされている作品が1~2回しか観ていない作品が多くあります…

ランキングのネタバレになりますが、初期の黒澤作品が多くあります。

 

第21位 わが青春に悔なし

 

原節子さん演じるエエとこのお嬢さんが、旦那ともに学生運動に巻き込まれながら、最後は大衆迎合的な人間たちにいじめられるという話。

戦後すぐの作品で、戦中の日本人をどこか批判的に描いているところがある作品。

 

第22位 酔いどれ天使

 

黒澤と三船という最強タッグが生まれたのが本作から。

凄みのあるヤクザを演じる三船も魅力的ですが、これまた黒澤作品では馴染みのある志村喬も黒澤30作品の中でも特別クールな芝居で見所のひとつ。

 

第23位 醜聞

 

猥雑(わいざつ)な話ほど金になるという現代日本にも変わらない人間の卑猥さを思い知らされる作品。

でっち上げでもいいから売れればいいやという大衆紙の感覚は今も昔も変わりませんね。

 

第24位 静かなる決闘

 

現代の感覚から見ると、主人公が戦争中の医療ミスで梅毒にかかった医者というのがイメージしずらいというか、興味が持てないというか、とにかく話に入り込めない作品です。

 

第25位 白痴

 

黒澤監督のドストエフスキーへの愛が深すぎるためか上映時間が2時間40分にもなってしまった、時間だけ見ると超大作。

これでもだいぶカットしたようで、オリジナルは4時間以上あり前後編に分けて上映する企画だった。

監督の熱意と興行的成功が合致しなかった作品。

第26位 續姿三四郎

 

大好評を博した前作のその後を扱った作品。

物語の主人公は変わらず姿三四郎。

その三四郎に前作で敗れた檜垣源之助の敵を討つため、源之助にうりふたつの弟である檜垣鉄心が三四郎を求めて現れる。

近作の主人公は敵役を一人二役で熱演した月形龍之介さんで間違いありませんね。

 

第27位 野良犬

 

黒澤明監督が描くシリアスなサスペンス作品。

拳銃の盗難から始まる物語は緊張感を持って進行し、観衆を引き込んでいきます。

個人的には息を飲む『階段』のシーンがお気に入りです。

 

第28位 姿三四郎

 

記念すべき黒澤監督の初監督作。

柔道を真面目に扱っているのか不真面目なのか評価が分かれるかもしれまんが、意気込みが伝わってくる作品です。

その後に隆盛する少年漫画もビックリのラストバトルが見所の作品です。

すっ飛んでいく志村に開いた口が塞がりません。初期の黒澤作品の雰囲気と後期の作品を比べる際にもオススメの作品。

 

第29位 素晴らしき日曜日

 

黒澤作品ととしては異色のテーマである『お金に困る男女のデート』を扱った作品。

プロット自体が地味で人によっては寝てしまうかもしれません。

ただ、ラストに眠い目を見開くような映像を見ることができます。

きっと皆さん驚かれると思います。

楽しみを共有するためにもなるべく大勢で鑑賞ください(笑)

 

第30位 一番美しく

 

大戦末期に作られた戦意高揚映画と言われても仕方ない作品。

劇中の女子工員たちの言葉や振る舞いからは美しさからも危うさや怖さを感じさせます。

黒澤監督に面と向かって『この作品について語ってください』とはとても言えない。

 

 

まとめ

 

私、どっと東京の独断と偏見で選んだ『黒澤明映画 全30作品ランキング』をご紹介しました。

ランキングをまとめて初めて認識したのですが、やはり黒澤明の白黒時代の時代劇が大好物のようです。

まだ、黒澤明監督映画 全作品をご覧になっていないあなた!

今なら、VODで黒澤明監督のほとんどを無料で鑑賞できるサービスもあります。

是非、チャレンジしてみてくださいね!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。m(_ _)m

 

どっと東京

 

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